寳幢寺について
縁 起
寳幢寺は弘法大師開宗の真言宗豊山派の寺院です。
大同元年(806年)、宥恵法印の開基とされ、
山号を補陀洛山、院号を観音院、
寺号を寳幢寺と称します。
元々、近隣に所在した末寺の七つの寺院
(阿弥陀寺、龍性寺、正円寺、福寿院、延命寺、
東医寺、聖光寺)が
明治五年の
「無檀・無住寺院の廃止令」の通達により、
本寺の寳幢寺に合併され、
現在の地(旧阿弥陀寺の境内)に
移築されたものです。
ご本尊様は「聖観世音菩薩」で、
その他に「阿弥陀如来立像」と「大日如来坐像」
が市の文化財に指定されています。
木造阿弥陀如来立像
「阿弥陀如来立像」は、
治承三年(1179年)千葉常胤が海中から
二体の「阿弥陀如来像」 を得た後、
大須賀原に仮屋を建てて安置し、
後に文治二年(1186年)阿弥陀寺の
本尊としたと伝えられております。
阿弥陀寺が明治の初めに 廃寺となりましたので、
当山に移されたものです。
この「阿弥陀如来」は小さい仏像でありますが、
相好円満で中世の佳作とされております。
木造大日如来坐像
堂ノ山の境外仏堂から遷した
「大日如来坐像」は、
蓮台の上に鎮座し、高さ百二十センチメートル、
漆箔の座像で、玉眼を入れ、
金銅透彫の宝冠を戴いております。
また、胸には金剛界大日如来の印である
智拳印を結び、眉目秀麗、
体幅堂々として気品があり、
生気を失わない衣の襞の線は実に規則的に
美しい曲線を描いております。
快慶の流れをくむ
室町時代の優作と言われております。